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今更ですが、「トップガン マーヴェリック」にどハマりして何回も観ています。
で、すごくミーハーなんですが、フライトジャケットが欲しくなって探し始めました。
ただ、そこである問題が。
たとえば、全然知らなかったんですが、MA-1って8つも種類があるみたいなんです(これについては後ほど詳しく解説します)
そして、それらの種類を見分けるには「ミルスペック」というものを確認する必要があるとか…
そこでこの記事では
- 「ミルスペック」とは?
- そもそも「スペック」の意味って?
- フライトジャケットの種類・年代を判別する方法
などについて、自分なりにまとめてみました。
- これからミリタリーについて詳しくなりたい人
- 実物(ヴィンテージ品)のフライトジャケットを探している人
に役立つと思うので、ぜひ参考にしてみてください…!
ミルスペック=軍の定めた規格

ミルスペックとは「Military Specification」の略で軍の定めた規格のことです。
「規格」とは「製品や材料、工程に対して定めた基準」のこと。
つまり、軍がコントラクター(請負業者)に求める基準をミルスペックと呼ぶんですね。
なお正確には、基準を文書化した「仕様書」のことを指すのだそう。
「仕様」とは「開発にあたり決めた設計や詳細情報」のこと。
なので、まとめると「軍が求めるレベルの設計情報を示した文書」みたいなところでしょうか。
そもそも「スペック」とは「構造・性能を示したもの」という意味

余談ですが、そもそも「スペック」という単語の意味をちゃんと知っていまか?
(僕は知りませんでした)
これまで僕は「スペック」=「能力」だとずっと思っていました。
ですが、これは元の意味から”派生した使い方”みたいで…
「スペック:Specification」とは「構造や性能を示したもの」という意味の単語なんです。
実際、辞書で調べると次のように出てきました。
goo辞書より引用
このように「スペック」という単語には「能力」だけじゃなく、「モノの造り」という意味も含まれているんですよね。
これをちゃんと知っている人は、「Mil Spec」=「Mil(軍の定めた)+Spec(性能や構造)」だと正しく理解できるのだと思います。
似たような意味だからって一緒くたに覚えていると、こういうとき困るんですよね…
でもミリタリーについて学んだら、日本語の勉強もできたんだから良しとします。
ミルスペックを定めるのは「製造の標準化」と「品質安定化」のため
軍がミルスペックを定める理由は「どのメーカーが作っても、軍が求めるレベルの製品が出来上がるようにするため」だといいます。
言われてみれば当たり前ですが、発注先によって形や大きさ、強度などがバラバラだったら、使い物にならない製品も出てきてしまいますよね。
だからこそ、軍が規格を統一することで色んなメーカーが関わっても同じ仕様(同じ造り・性能)の製品があがってくるようにしたんですね。
ただ本来はダメなのですが、実際にはメーカーごとに微妙な差が生じたりもしていたそうで…
こういったメーカーごとの違いが、ミリタリーファンの間では逆に楽しまれているんだとか。

また軍に納入される製品は、基本的に過酷な環境下での使用を想定されています。
そのため、耐久性が非常に重要になってきます。
たとえば…
- 耐衝撃性…外からの衝撃にどの程度耐えられるか?
- 耐熱性…高温でも形や機能を維持できるか?ひび割れや変形を起こさないか?
- 耐火性…熱や火にどれだけ強く、燃えにくいか?
- 耐水性…水に濡れても変形したり、水分が染み込まないか?
- 防塵性…砂やホコリ、塵が入ってこないか?
などなど、すべてにおいて高いレベルが要求されます。
耐久性だけでなく、動きやすさ・使いやすさも重要です。
例えばMA-1などのフライトジャケットは、どれも着丈が短いものばかりですよね。

これはパイロットがコックピットに座ったときかさばらないようにするため、つまり、いちばん操縦しやすい形を追求した結果なんです。
ミルスペックを定めるのは性能の高さや使いやすさを担保するためでもあるんですね。
軍で使うものは“全て”ミルスペック
冒頭のとおり、僕がミルスペックについて調べようと思ったキッカケはフライトジャケットでした。
ですが、なにもミルスペックはフライトジャケットだけに定められているわけじゃないんです。
軍で使用されるものは全てミルスペックを満たしたものでなければなりません。
だから、デスクやペン、食品、寝具に至るまで、すべてミルスペックが定められているといいます。
すごいですよね…使われるもの全部って。
「ミルスペックのミリタリーウェア」なら普通に腹落ちします。
でも「ミルスペックのボールペン」とか「ミルスペックのパン」とか言われても全然しっくりこないというか…笑

ですが、軍に所属する人々は国防を担っているわけです。
であれば、たとえどんなに些細なことであっても、細部までこだわる必要があるのだと思います。
それこそ食品なんて身体に入れるものですよね。
そう考えれば、ミルスペックが定められて当然なのかもしれません。
MA-1のミルスペックは全部で”8つ”もある
ミルスペックは米国防省が割り振った番号で表されるといいます。
たとえば、MA-1のミルスペックは「MIL-J-8729」といった感じ。
頭に「MIL」がついて、そのあとに個別の識別番号が割り当てられていくという感じですね。
ですが、MA-1のミルスペックは「MIL-J-8729」だけではないんです。
なんと、MA-1は全部で8型もあるんです。
- MIL-J-8729:初期型
- MIL-J-8729A:Aタイプ
- MIL-J-8729B:Bタイプ
- MIL-J-8729C:Cタイプ
- MIL-J-8729D:Dタイプ
- MIL-J-8729E:Eタイプ
- MIL-J-8729F:Fタイプ
- MIL-J-8729G:Gタイプ
ミルスペック(仕様書)はマイナーチェンジが繰り返されます。
一度完成したモデルであっても、より着心地・耐久性を高めていくために細かな改良が加えられるからです。
たとえば、このMA-1をよく見てみてください。

(バズリクソンズ)BUZZ RICKSON’S Type MA-1 “ALBERT TURNER & CO., INC.” フライトジャケット アウター ミリタリー ブルゾン メンズ 日本製 (JP, アルファベット, L, SAGE GREEN(01))
これはMA-1の初期型(つまりMIL-J-8729)のレプリカなんですが、よく目にするMA-1にはないディテールがあります。
たとえば、MA-1といえば裏地がオレンジ色になっているものが有名ですよね?
だけど、このMA-1はオレンジ色になっていません。
また、中央のファスナー横に四角いタブが付いていますが、これもあまり見ないですよね。
その他にもポケットのフタ(フラップ)が付いていなかったり…
でもそこから、裏地がオレンジに変更されたり、ポケットにフタが付いたりなど、いろいろと改良が加えられていったんですね。

[アルファインダストリーズ] アウター MA-1 CORESPEC 2000 RP.GRAY M
こういったマイナーチェンジを区別するために、ミルスペックナンバーの末尾にアルファベットが追加されていきます。
各モデルの違いについては長くなるため割愛しますが、違いを知っているとよりミリタリーの世界が面白く感じられると思います。
自分が持っているMA-1に対しても、さらに愛着が湧くかも…
フライトジャケットの年代はミルスペックから判別できる
フライトジャケットに興味を持った人なら、誰もが一度は「実物(米軍が実際に使用していたヴィンテージ品)が欲しい」と思うはず。
そして、せっかく高いお金を払うのであれば「実はレプリカだった…」なんて事態は避けたいもの。
そこで気になるのがフライトジャケットの年代を判別する方法ですよね。
フライトジャケットの年代は首元のミルスペックラベルで判別できます。
たとえば、こんな感じです。

このラベルに書かれている内容は上から順に次のとおり。
- 「JACKET, FLYER’S, MEN’S,」
→用途 - 「SUMMER, FIRE RESISTANT」
→着用時期、機能性 - 「TYPE CWU-36/P」
→モデル名 - 「MIL-J-833828(USAF)」
→ミルスペック(制定者)
末尾の「(USAF)」は「このミルスペックはUnited States Air Force(米空軍)が制定した」という意味を表す - 「DLA100-80-C-2678」
→契約番号(コントラクトナンバー)
DSAやDLAで始まる米国政府の管理番号。軍が製造会社と契約した時に発行され、契約の度に番号も変わる - 「100% POLYAMIDE」
→組成表示
CWU-36/Pの実物は「POLYAMIDE」「ARAMID」「AROMATIC POLYAMIDE」などと表記されている(当時はポリエステルではなく「アラミド」という難燃性の素材が使用されていたため) - 「CENTRE MFG. CO., INC」
→製造会社名 - 「MEDIUM」
→サイズ表記
S、M、L表記になったのはMA-1が登場した1950年代後半から。それ以前は36、38、40と数字で表記されていた - 「8415-01-010-1911」
→ストックナンバー
米国連邦政府補給品システムの管理番号
このうち、特に注目すべきは5つ目の契約番号(コントラクトナンバー)です。
このラベルの契約番号は「DLA100-80-C-2678」と記載されていて、「DLA100」と「C-2678」の間に「80」という数字がありますよね。

この数字が「会計年度」を表しているんです(このラベルでは1980年度)
「会計年度」というのは「企業や公共機関が経営・財政状況を把握する目的で、一定期間の収入と支出を算出するために設定した期間」のこと。
分かりやすく言うと歳入・歳出の区切りとする期間です。
この「会計年度」は国によって異なります。
- 日本:4月1日〜翌年3月31日(個人事業主は1月1日〜12月31日)
- アメリカ:10月1日〜翌年9月30日
そのため、ここでは「会計年度」=「10月1日〜翌年9月30日」としています。
少し話が逸れましたが、要するにこのラベルからは
「このCWU-36/Pは1980年10月1日〜1981年9月30日までに製造する(支出する)と国家予算で決まった」
ということが読み取れるわけです。
ラベルの数字を見て「80年製」と判断しがちですが、必ずしも会計年度=製造年とはならないという点だけ注意ですね。
もし「予算計上年と製造年が2年以上離れている」なんて事例があるならば、ラベルだけでは判断できないですけどね…
この辺りの真偽は素人じゃわからないので、専門家に聞いてみたりするしかなさそうです。
ミルスペックを謳っている”民生品”に注意
スマホケースやパソコンなんかで「ミルスペック」をセールスポイントに謳っている商品を見たことありませんか?
「本商品はミルスペックなので耐衝撃性が抜群です!!」みたいな。
僕も「ミルスペック」を謳っているスマホカバーを買ったことがあります。

ですが、こういった商品は公的に品質が保証されているわけではないので注意が必要だといいます。
ミルスペックを謳っている商品のほとんどは、耐環境性試験の規格である「MIL-STD-810」に基づいた試験実績を売りにしているといいます。
耐環境性試験とは自然環境による劣化にどれだけ耐えられるかを測る試験のことです。
つまり「ウチの商品は軍が定めたレベルの試験をクリアしていますよ!」という売り文句だということ。
ですが、これらの商品のほとんどは「MIL-STD-810」の全ての試験項目を実施しているわけではないといいます。
だから「ミルスペックを謳っている=高品質」とはならないのだそう。
あくまで参考程度にとどめておくのがいいかもしれませんね。
まとめ:ミルスペックを知ればMA-1の種類もわかるように
ということで、「ミルスペック」について簡単にまとめてみました。
ポイントをまとめるとこんな感じです。
- ミルスペックとは「軍の定めた規格」のこと
- ミルスペックを定めるのは「生産の標準化」と「品質安定化」を図るため
- 軍で使うものは“全て”ミルスペックが定められている
- “民生品”の「ミルスペック」は公的に認められているわけじゃない
ミリタリーに限らずですが、分からない専門用語が多すぎるとそれだけでイヤになっちゃいますよね。
でも用語が分かってくると、だんだんと面白くなってくると思います。
「もっと詳しく知りたい!」という人は、ぜひ参考文献も見てみてくださいね。
(ちなみに、いずれもKindle Unlimitedの無料体験で読めます)
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