これが「科学的に正しい」の意味

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「それってあなたの感想ですよね?」
「エビデンスあるんですか?」

有名なフレーズですね。対面でこんなこと言われたらちょっとイラッとしちゃうと思います…笑

でもより成長するためには、闇雲に手を出すのではなく「科学的に正しい方法」を選び実践していくことが欠かせませんよね。

ただ、そもそも「科学的に正しい」ってどういう意味なんでしょう?

「どこかの大学や研究機関の実験結果で裏付けられているってことでしょ?」

たしかにその通りだと思います。

でも論文や研究にも良し悪しはあると思いませんか?

実際、企業の商品アピールになるように「初めから結論ありきで”都合の良い結果“を出すような研究」があるとかないとか…

となると

「大学や研究機関の論文で示されているから」

という理由だけでは、信頼に足るかどうか判断できないと思うのです…

もしかしたら

「自分の経験則」の方が「大学の研究で”科学的に正しい”と言われているノウハウ」よりも優れている

というケースだってあるかもしれないですよね。

ではどうすれば、エビデンスが本当に信頼に足るものかを判別できるのか?

そんなときにめちゃくちゃ参考になったのが『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』という本の序章。

タイトルの通り、筋トレについて教えてくれている本なのですが、序章で「科学的に正しい」ということの定義を示してくれています。

これがめちゃくちゃ参考になりました。

そこで今回は

  • 「科学的に正しい」とはどういうことか?
  • 信頼できるエビデンスの見分け方

について紹介していきます。

筋トレに限らず、仕事や趣味のスキルアップを目指すときに役立つ内容です…!

気になった箇所だけでも読んでみてください。

科学的に正しい=エビデンスレベルが高い

結論から言うと「科学的に正しい」とは「エビデンスレベルが高い」ということです。

言い換えると、主張の引き合いに出している根拠(エビデンス)の信頼度(レベル)が高いということ。

僕たちは未知の分野でなにか新しいことを始めるとき、まず情報を集めますよね。

何も知らない状態では何からすればいいのかわからないですし。

そして現代では、スマホやパソコンで関連するキーワードを入力すれば簡単に情報を手に入れることができます。

とても便利な世の中です…

でも、インターネットに溢れている情報量は膨大です。

そこには「本当に役に立つ情報」もあれば「今では完全に否定されている過去の常識や通説」なんかも紛れています。

まさに玉石混交です。

それらの膨大な情報の中から”本当に信頼できる情報を見つけるための基準”が科学的根拠(エビデンス)です。

当然ですが”科学的”と呼ぶだけあって、一個人の主観や感想は「エビデンス」と呼べません。

だから基本的には、大学や研究機関がおこなった実験の結果をエビデンスとして考える…

のですが、ここに落とし穴があるんです…!!

なぜなら大学や研究機関がおこなった実験であっても、研究手法によってはエビデンスレベルが低くなるということもあるからです。

エビデンスレベルを左右する研究手法の種類

研究手法には様々なものがあります。

それらのエビデンスレベルを決めるのは研究手法の「比較の質」なんだそう。

そのため、研究手法の種類・特徴を知ることがとても重要になります。

観察研究と介入研究

研究手法には大きく2種類あります。それが「観察研究」「介入研究」です。

それぞれの概要は次のとおり。

  • 観察研究被験者に積極的な働きかけを行わずに観察する研究方法
  • 介入研究被験者を介入群(何かしらの介入を行う)対照群(一切の介入を行わない)の2グループにわけておこなう研究手法

「観察研究」では文字通り、特に指示を出したりせず被験者たちのありのままを観察します。

ですが「介入研究」には「何かしらの介入をするグループと「何の指示も出さないグループ「比べる」というステップが含まれていますよね。

そのため、介入研究は観察研究よりも「比較の質が高い」と言えるのです。

ハイレベルな介入研究:ランダム化比較試験&二重盲検法

観察研究よりも信頼できる介入研究ですが、その実施方法でさらにエビデンスレベルが変わってきます。

なかでも最もエビデンスレベルが高いと言われる手法が、「RCT(ランダム化比較試験)」「二重盲検法の組み合わせだといいます。

  • RCT(ランダム化比較試験)被験者を無作為(ランダム)に選定する方法
  • 二重盲検法どのグループが介入群か研究者側にもわからないという検証法

「RCT」は「Randomized Controlled Trial」の略。ランダムに選ぶことで”研究者側の意図”が介在しなくなるため、より正確なデータを取ることができます。

さらに「二重盲検法」で介入群を分からなくすることで「この仮説・介入には効果があるだろう」という研究者の無意識の思い込み(プラシーボ)を排除できるのです。

つまり、RCTと二重盲検法を組み合わせることで研究者側の意図を排除できるということですね。

そのため、介入研究でこの2つの手法を組み合わせると、その研究のエビデンスレベル(信頼度)は非常に高いものになるのです。

最強の研究手法:メタアナリティクスとシステマティックレビュー

前述のとおり、”個々の実験における”最もエビデンスレベルの高い研究手法は「RCTと二重盲検法による介入研究」です。

ですが、さらにそのうえをいく最強の研究手法があるんです…

それが「メタアナリティクスメタ分析「システマティックレビュー(系統的レビュー)」です。

  • メタアナリティクス(メタ分析)過去に独立して行われた研究を複数まとめて解析する手法
  • システマティックレビュー(系統的レビュー)ある問題に関する研究を系統的(順序立てて道筋通り)に収集して、それらを評価・統合する手法

なぜこれらの研究手法が最強なのかというと、それは出版バイアスを排除できるからなんです。

なんだよそれって感じですよね。僕もです。

出版バイアスとは「ネガティブな研究結果は、ポジティブな研究結果に比べて公表されにくい」というもの。

たとえば、「このトレーニング方法は効果がありました」というポジティブな情報であれば「自分も試してみたい…!」と興味を持ってくれる人は多いと思います。

でも「この手法には効果がありませんでした」というネガティブな情報だとどうでしょう。

きっと

「はい、そうですか…」
「だからなに?」

といったふうに興味を示さない人がほとんどだと思います。

興味を持ってもらえない研究結果を発信したところでお金にはなりません。

つまり、企業や一部の研究者、メディアからすれば公表するメリットがほぼないということ。

だから、どうしてもポジティブな情報の方が世に出やすいのだといいます。

ですが、そんなふうにポジティブな情報・研究結果ばかりを集めていたら、そこには必ずバイアス(偏り)が生じます。

このバイアスをキャンセルする手法が「メタアナリティクス」や「システマティックレビュー」なんです。

これらの手法ではポジティブな研究結果とネガティブな研究結果のどちらも合わせて解析します。

だからバイアスを取り除けるんですね。

とくにRCT(ランダム化比較実験)の結果のみを集めたメタアナリティクスは「最も信頼度の高いエビデンス」だと言えます。

ただ逆に言えば、メタアナリティクスやシステマティックレビューの質はベースとなる研究のエビデンスレベルに左右されるとも言えますね。

エビデンスレベルの序列(エビデンス・ピラミッド)

色々な研究手法が登場してきて少し頭がこんがらがっていると思いますが…

ここまでに登場した研究手法を”信頼度の高い順”に並べると、次のようになります。

研究手法の序列(信頼度の高い順)
  1. メタアナリティクス、システマティックレビュー
    ※ベースとなる研究の質に影響を受ける
  2. RCT(ランダム化比較試験)
  3. NRCT(非ランダム化比較試験)
  4. 観察研究
  5. 総説・専門家の意見
この順番をピラミッドに見立てて「エビデンス・ピラミッド」と呼ぶそうです

研究方法のエビデンスレベルについて学んでみると、専門家の意見を信用し過ぎるのはあまり良くないことがよく分かりますね…

もし家にテレビがある場合、お昼のワイドショーとは程よい距離感で付き合うのが良さそうです…

正しく科学を使うための大前提

ここまでで「科学的に正しい」の定義が明確になったと思います。

では、どうすれば科学を正しく使えるのでしょうか?

科学を正しく使うために意識すべきことは2つあります。

最新の科学=その時点で科学的に正しい情報

1つ目は「最新の研究結果はあくまで”現時点で”科学的に正しい情報にすぎない」ということです。

科学の世界は日進月歩だとよく言われるように、新たな研究方法や技術が登場すれば今日の常識が明日には完全否定されることだってあります。

だからこそ、絶えず最新の知識をアップデートすることが重要です。

「科学的に正しい=必ず自分に当てはまる」とは限らない

2つ目は「科学的に正しいからといって、必ずしも自分に当てはまるわけではない」ということ。

さまざまな研究結果は統計解析(大量のデータから傾向・パターンを明らかにする方法)によって導き出されています。

そして、解析対象である大量のデータのなかには外れ値(全体の傾向から大きくはずれた値=他とは大きく違う現象)が存在することもあります。

だから「科学的に正しい(統計的事実)=全員に当てはまる(完全に一般化できる)」とはならないのです。

「99%の確率で成功する手術」も「1%は失敗する可能性がある」のと同じです。

では、どうすればいいのでしょうか?

答えは単純で実際に自分自身で効果を検証すること。これだけです。

いくら「科学的に正しい」とされている知識を集めたところで、結局 自分で試さないことには本当に効果があるかどうかは分かりません

最新の科学を使って”自分に合った”ノウハウを見つける

これが正しい科学の使い方だと思います。

まとめ:エビデンスの質を把握したうえで自分でも試すことが大事

結論、「科学的に正しい」とは「エビデンスの信頼度が高い」ということです。

エビデンスの信頼度は「研究方法の質」に左右されます。なので、ざっくりでもいいから研究手法の種類・特徴もおさえておくのがオススメ。

また、科学はものすごいスピードで進歩しているので、常に最新の知識へアップデートすることが不可欠です。

そして最後に、たとえ「科学的に正しい」と言われていることであっても、必ず自分に当てはまるとは限らないので、最終的には自分で試すことが必要不可欠だということです。

インターネットの発展で、「長年の勘」や「ベテランの経験則」などよりも「科学的根拠(エビデンス)」を重視する流れは加速しています。

でも、そのエビデンス自体が本当に信頼できるものなのか?までは、なかなか気が回らないものです。

「なんか頭の良さそうな海外の大学の論文だから、これは間違いないだろう…!」

僕はだいたいこんな感じでした。

でも、それじゃダメだということがよく分かりました…

今後 科学書なんかを読むときは、ぜひエビデンスに注目してみてください。

もし、その本が「観察研究」ばかりをベースにしていたら「この本の内容は半信半疑くらいで考えよう…」みたいに、本に対する向き合い方も調整できますよね。

でも「観察研究だから絶対効果がない」というわけでもありません。最終的には実際に自分で試してみることもお忘れずに…

(ちなみに、『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』はKindle Unlimitedの無料体験でタダで読めます)

参考文献

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